2001年6月の日記

化粧する三代目中村鴈治郎のポスター

サドラーズ・ウェルズ劇場の正面の歌舞伎のポスター

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6/3

ロンドン、楽しかったですよ。しばらくの間、英国に住んでいることを忘れることが出来ました。歌舞伎については別にたっぷり書きますが、それ以外に私がロンドンで見てきたのはこんなものです。とっても満喫。

ところで、5/31の日記に、歌舞伎はロンドン公演しか見ないと書きましたが、ロンドンに行ったらあちこちにチラシが置いてあって情報がとれたので、今朝マンチェスター公演の座席もとっちゃいました。ロンドンの、B&Bのトイレから(電波の関係で)携帯で電話して。わはは。

イギリスに住んでるくせに何で歌舞伎って思われるかもしれませんが、バレエを見に、ガーデニングを学びに、プレミアリーグを見に日本から英国に来る人ならよくいるでしょ?おんなじおんなじ♪マンチェスターなんて日帰りだよ!

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6/4

英国に住んでいるのを忘れる一時を過ごせたとはいえ、やっぱりロンドンだーという体験も。

昼の歌舞伎を観て、ハイドパークにいる夫と合流しようとしたときです。キングス・クロス駅から地下鉄のピカデリーラインに乗って、ハイドパークコーナーへ行こうと思っていました。

が。待てども待てども電車(ひさびさに使ったこの言葉)が来ない。どんどんホームは混んでくる。うーん。と思っていたら、ついにアナウンスがありました。「ピカデリーラインはどっかでひどく遅れているので、別の方法で移動することをお勧めします。」

そしたら、隣に立っていた人に、なんて言ってたの?とか聞かれました。溶け込んでたんか。うれしいな。でも、よそへ回れって言う以外(どこで止まっちゃったのか)聞き取れなかったので、答えられませんでした。

携帯の電波が届かないから、ひとまず地上へ出るか〜と構内を歩いていたら、ビクトリアラインというのを発見(じゃねーよ。元からあるんだよ)、じゃあとりあえず出来るだけ目的地に近寄ろうってんで、電車に乗り込みました。

全部がそうか知りませんが、ロンドンの地下鉄は換気が悪いと思いました。というより、電車が動くことによってかろうじて空気が動いてるだけなんじゃないかって感じ。車内にももちろん冷房なんかなし、体温の高い英国人がわんさか乗っているので、とても蒸し暑いのでした。このまま地球温暖化が進んだらどうするんだろう。

さて、ハイドパーク近くのグリーンパーク駅で降りたら、またアナウンスがあって、今乗ってきた「ビクトリアラインは安全上の理由で動きません。」・・なんか、間一髪セーフだったらしい。

そこでやっと外へ出て、徒歩で夫と合流してタクシーを拾いました。ピカデリーライン沿線の先の方に住んでいる友達を訪ねる予定だったので、ゾーン券とかいうのを買っていたんですが。地下鉄やい、金返せ。

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6/5

今来英中の中村鴈治郎率いる近松座が上演している歌舞伎は「釣女」「曾根崎心中」の二つの演目です。

「釣女」はある大名が恵比寿様に願掛けをして妻を求めたところ、夢のお告げで釣り竿できれいな奥さんをゲット。マネした太郎冠者は・・・という狂言仕立ての楽しい一幕です。

一方、「曾根崎心中」は近松門左衛門原作の悲劇で、江戸時代のロミオとジュリエットの様な感じです。

ストーリー

大阪の商家に勤める徳兵衛と、遊女お初は相思相愛でしたが、まじめな徳兵衛を見込んだ店の主人が、自分の姪と結婚させようと、徳兵衛に無断で実家の継母に話をつけ、結納金を渡してしまいます。強欲な継母からやっと金を取り返した徳兵衛でしたが、長年の親友が金に困っていると泣きついてきたので、大事な金を一晩だけという約束で貸してしまいます。一方、姪とは結婚しないと断言された主人はかんかんに怒り、結納金を返して大阪を出ていけと言います。

この後から舞台ははじまります。久々にお初に会えた徳兵衛は、今までのいきさつを説明し、お初は喜びますが、そこへ金を貸した親友が通りかかります。金を返せというと、そんなことは知らぬといいはり、揚げ句の果てに、証文に押した印は紛失届を出したもので、徳兵衛を騙りだとののしります。喧嘩の果てにひたいに怪我までした徳兵衛は(その頃頭に怪我をさせられるのは非常な屈辱だったらしい)、町の人からもののしられ、完全に面目を失いますが、命に換えても潔白を証明すると心に誓ってその場を去るのでした。

次の幕はお初の勤める店。徳兵衛の災難の噂に心を痛めるお初のところに、徳兵衛の主人が訪ねてきて、苦情を言い、徳兵衛が来るまで店で待つと奥へ入っていきます。その後怪我をした徳兵衛が店に来たので、お初は縁の下に徳兵衛を匿い、縁側に座っています。その後、金をだまし取った親友が登場。実は、彼はお初に横恋慕していて、お初欲しさに徳兵衛を陥れたのでした。金でなびけと言われたお初は、私と付き合うとあなたも死にますよと啖呵を切り、縁の下の徳兵衛に、心中する気持ちをといかけます。徳兵衛はお初の足を喉に当てて死ぬ心積もりを示すのでした。

その後、皆が寝静まってから二人は脱走、死出の旅に出ます。二人が心中するつもりと分かった徳兵衛の主人は、そんなに好き合っているなら添わせてやるつもりで、こっそりお金も用意していたのにと嘆くのでした。一方、紛失したはずの印を持っていることがばれて、元親友の悪事は明るみに。二人はこれで死ぬ必要がなくなったのです。

脱走した二人は曽根崎の森へ。両親を早く亡くした徳兵衛は数えで25歳、苦界に身を沈めざるを得なかったお初は19歳、共に厄年、好き合ったのも不幸な運命と嘆きつつ、織り姫と彦星の様に来世で一緒になることを誓うのでした。

みどころ

お初は鴈治郎丈の出世作だそうです。気の弱いところもある徳兵衛を常にリードし、花道を先に立って曽根崎へと向かうお初は、封建的な歌舞伎の世界に類を見ない「行動する女」でした。その新しいお初を産みだした鴈治郎丈は、上方歌舞伎の第一人者です。型を重視し、武士を中心とした男性的なテーストの江戸歌舞伎に対し、町人(商人)文化の花開いた上方ではぐくまれた歌舞伎は、ラブストーリーが多く、写実的な描写が特徴です。上方歌舞伎では型は継承されず、役者個人の一代限りの工夫なんだそうです。そういうバックグラウンドが、「行動するお初」を産んだのです。

確かに年下でも女性の方が現実的でぱっぱとしきるカップルっているよなあと思いながら見ていました。最後の心中のシーンは踊り。幻想的な森の中で、美しい形を次々に繰り広げながら語られていく恋の世界。死出の旅路の嫁入りに白無垢を来たお初が花道から出てきた時、1931年生まれの鴈治郎丈は完全に19歳の不幸せな女に見えました。

まだ席もあるようなので、興味が会ったら是非!ロンドン公演で一番安い席は8.5ポンドですが、劇場がコンパクトだし、歌舞伎は遠くからの観賞に耐える工夫があるので、充分楽しめると思います。英語イヤホンガイドもあります。

近松座英国公演

ロンドン歌舞伎観劇録(文章)

曾根崎心中の解説

ロンドン公演(写真)

ロンドン公演案内の翻訳

マンチェスター公演(写真)

日本の宝/劇評の翻訳

劇評へのコメント

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6/6

ロンドン旅行の家計簿、都会はお金が飛んでいくなー。でも、観光旅行ですしね。

5/24に中学校で日本を紹介したとき、担当の地理の先生に、「こちらの生徒と東京の生徒とでメール交換がしたい。相手になる学校を探してくれないか」と頼まれました。

それは面白いやと思って軽い気持ちで引き受けて、その晩その地理の先生にメールで「先方へ事情を説明するために、学校の紹介と、どういうことがしたいかを書いて欲しい」と書きました。

が、全く返事が来ません。どうも教えてもらったアドレスは仕事用のようです。そう言えば夏休みに入ると言っていたので、先生も夏休みなんでしょう。。。

幸い何も着手していなかったので、このまま放っておきますが、もし着手しちゃってて、日本から問い合わせが来て、でもこっちは連絡がつかない・・なんてことになったら、まるで英国に赴任している日本企業社員的板挟み状態。

イメージ→ (--メ)*(>_<)*(@_@)

ランカスターにいたころ、英国に進出してきたばかりの某日系企業の顧客になったんですが、最初色々問題があって、最寄りの支店に連絡しても電話を切られちゃったりしてかなり悲惨な状況だったので、困り切って東京の本社に連絡したら、こっちの日本人担当者を紹介され、凄い勢いで物事が進みました。で、それに味をしめて、その後も何かあると現場を頭越しにその日本人担当者に苦情を言っていました。

でも、あるときふっと、「ああ、この人は私が日本の常識じゃ考えられないって怒っているのを聞いて、英国でそれをやらせようとしても無理なんだよねーとか思いながら、仕方なくかしこまって聞いてるんだわっ。」と判っちゃって、凄く虚しくなりました。

つまらないことで文句をつけてくる甘ったれた日本人客というレッテルと貼られると損だし、徐々に対応も良くなってきたので、それ以降は何かあっても出来るだけ英国人の担当者に連絡しています。

さらにその後

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6/7

でも、昨日の日記の学校から交通費のチェックは来ました。。。

最近日記が長いな。普段は歌舞伎座の三階東イ席にいる私の魂の一部又ハ煩悩が来英中なので、その分割り増ししているのかも。

さて、マンチェスターの歌舞伎のチケットが届きました。うん、なかなか素早くてヨロシネ。でも、「チマツザ プレゼンツ カブキ - ソザキシンジュー」。さぞかし劇団の人も色々なご苦労が・・。

歌舞伎はものすごく多くの裏方さんに支えられている芸術です。道具類、衣装は当然それぞれの専門家がいますし、例えば花道から役者さんが出てくる所に、揚げ幕と呼ばれるカーテンが、金属棒に金属の輪でつるしてあって、これを開ける人がいます。ロンドンで曾根崎心中を見た一日目、揚げ幕が開く時にちょっとだけ変な音がしたことが一度ありました。が、翌日は全て「シャリン」という、歌舞伎好きにはたまらない鈴のような美しい音が出ていました。胸の中が熱くなりました。がんばってるんだなあ。あんなに遠くから皆さんで来てくれて、日々良いお芝居を作るために。

お芝居を作るのは上演する側だけではありません。観客もお芝居の一部です。特に歌舞伎は掛け声というインタラクティブな方法を初めとして、観客の反応を取り入れて初めて完全な形で芝居が成り立つ構造になっています。「みえ」というのは、「私をみなさい。ここは声をかけたりしておおいに感心するところですよ」というお約束なのです。だから、その日の観客の反応が舞台にフィードバックされて、ノリの良い客の入っている日は芝居の出来も違うんです。その辺が私が映画よりもお芝居(特に歌舞伎)を優先させる理由かもしれません。

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6/8

ドラゴンボールZの新翻訳ストックが切れてまた前に戻りました。毎日やっているので、ある程度まとめて翻訳されるとそれを繰り返し放送するという感じなんですが、新作が出てくるとテレビ権がなくなってその期間映画がみられないのよねー。スカイだと映画も繰り返しやるから別にいいけど。今やっているのは、ベジータが結婚する前後あたりみたいですが、私は見てないので良くわかりませーん。

日本のアニメは、他に前も書いたセーラームーンとデジモン、ポケモン、ガンダムウィング、天地無用、あとなんか原始人が出てくるやつと、変身魔女系のをやっているみたいです。。アメリカのパワーレンジャーシリーズもやっているんですが、これはかなりおバカっぽいです。でも、たまに歌舞伎の「暫」スタイルの怪人とか、虚無僧怪人が出てくるので、油断がならん。

私は基本的に根気がないので、連続ものより、週末の夜中にサイファイチャンネルでやる映画スタイルのが良いんですが、これも繰り返しが多いうえに、どこで拾ってきたんだかわからないよーな、なななんだこりゃー!?というのも多いです。でも、「カリオストロの城」とか、「甲殻機動隊(だっけ?ゴースト・イン・ザ・シェル@何度見ても理解できない)」「最近作ったらしい原作に近いデビルマン」とかもやるので、毎週チェックは入れています。デビルマンの親友の飛鳥リョウはリィオと呼ばれていました。そう言えば、こちらのコンフェデ杯中継では、波戸(はと)選手がヘイト(=嫌い)と呼ばれていてちと可哀相です。

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6/12

最近ドキュメンタリー系チャンネルで、映画「パールハーバー」にちなんだ番組をいろいろやっていました。とはいっても戦争(薔薇戦争とかから湾岸戦争まで)関係のドキュメンタリーは普段からしょっちゅうやっています。歴史好きの国民性もあるんでしょうが、ドイツに空襲されたり、日本軍の捕虜になった人がたくさん死んだりした(ヨーロッパの捕虜の死亡率が5%位なのにたいし、アジアで日本軍に捕らわれた場合25%以上が死亡したらしい。・・さもありなん・・・・・・・)ことを忘れないように努力しているという感じもあります。「パールハーバー」の広告を町で見るとちょっとどきっとします。

ヒストリーチャンネルでやっていたサムライという番組を見ました。(この番組は前もやっていたので以前も書いた気がするんですが、重なっていたらすみません。)サムライの精神について、歴史的、文化的になかなか詳しくかなり正しく述べている番組で、首を捕られた時のたしなみに兜に香を焚き染めたとか、衆道(男色ね)もごく普通だったなど、日本人で知らない人も多いだろうなあという様なことまで出てきました。

パールハーバーつながりだと思ったのは、番組の終わりの方で、明治になってサムライ・クラース(階級)が絶滅した後、第二次世界大戦に武士道精神が誤用され、悲惨なカミカゼ作戦などが行われたと述べているところがあったからです。現実の特攻の映像なんてほとんど見たことがないので、これはかなりショッキングでした。

ちなみに番組の最後は、サムライの子孫だと言う和服を着た男性が、「報酬を求めず、自分を犠牲にして世に尽くすひとは誰でも(日本人でなくても)サムライなのだ」と話をまとめていました。

結局、サムライという言葉はちょっとエキゾチックで神秘的で格好いいイメージがあるみたいです。

コンフェデ杯中継でも、中田英寿選手もサムライとかスォード(刀)とか言われてて、またサムライかいって思ったけど、まあ「日本人をほめようとしたら思いつく言葉」なんでしょうなあ。

「英国紳士」みたい。

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6/13

こっちも忘れていた、学校の先生からのメールが来ました。なんだか全部小文字で書いてあって忙しい中急いで書いてくれたメールのようです。個人のメールを公表するのは大反則ですが、あえてやります。大体こんな感じでした。

「おへんじありがとう. いそがしかったのでおこたえがおそくなってすみません. あなたが示唆するにほんへのEメールはすばらしい. ほんとうに生徒達が電子ペンパルの様な相手をみつけられたらいいとおもいますでもうまくいくためにはすべて授業中にいっしょにやらなけらばなりません. 授業では教えられない異なる自然やひとびとにまなぶことができるとおもいますし、教師もじょうほうこうかんができるかもしれません.いろいろとどうもありがとう」

はあい?

まず、「おへんじありがとう」とあるので、完璧に忘れていたみたいです。「あなたが示唆する」とか言ってるので、結局やる気なさそうです。あのーあなたが話をもちかけてその連絡のためにアドレスを教えてくれて、こちらからメールしたお返事なんですけどね。なぜかこっちのせいにされるっていうのはよくあることだって夫が言っていました。「英国人は婉曲的ではっきりものを言わない」というのはこういうことなんでしょうか。

連絡手段がEメールでよかった。返事はどうしよう。「私も教師への負担が大きいことに気がつきましたので、特にまだ何もしていませんでした。よい夏をお過ごし下さい」とでも書いておきましょうか。返信する必要ないかも?とにかく急ぐ必要はない様です。

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6/14

友達が新聞の切り抜きを送ってくれたので、日本の宝/歌舞伎劇評を翻訳しました。Uさん本当にありがとうございました。

毎日のようにロンドンの色々な演劇の評論を書いているだろうこの記者が、初めてカブキというものを観て書いたこの劇評は、外国人が歌舞伎をどうとらえるのかをよく表していて、何十年も歌舞伎を観てきている評論家による日本の歌舞伎劇評と比べてとても新鮮です。

まず書かれているのは、「孫娘程の女の子を演じる老男優」に対する驚き。日本人だったら歌舞伎を全く観ていない人でも女形というのは知っているから、一段階で済む驚きを二段階に驚いているという感じです。でも、その奇妙さを越える魅力をしっかり感じ取っているということにほっとしたり当然だと思ったり。

次に、一つ目の作品、狂言からきた「釣女」の様式化した表現や、酔態などの感情表現に注目しています。日本の伝統芸術の象徴的な表現(旅をするときに舞台をぐるりと回るなど)が西洋人には新鮮で、前衛芸術に取り入れられているという話は聞いたことがありますが、やっぱりそうなんだ。「釣女」で鴈治郎丈が男性の太郎冠者を演じて、次の「曾根崎心中」とのコントラストを出す配役の工夫も思い通りの効果が得られた様です。

「曾根崎心中」では、セリフ回しによって登場人物の感情がちゃんと伝わっていることとともに、イヤホンガイドの的確さにも触れられています。歌舞伎の英語版イヤホンガイドは、約十年前に私が歌舞伎をみはじめたときは当然の如くあったので、多分数十年の歴史があるんでしょう。イヤホンガイド解説者(外国人)の本を読んで、その造詣が深さに感銘したことがあります。サドラーズ・ウェルズ劇場で、非常に的確な間合いと発音で掛け声を書けていた白人男性の記憶とともに、もっと世界中に歌舞伎通が増えることを願ってやみません。

文化の輸入超過と是正して(か、硬いな)、現在日本の新聞で、オペラやバレエの劇評を初めて観た人が評論することがあり得ないのと同じことが、歌舞伎でも当然になって欲しいものです。

近松座英国公演

ロンドン歌舞伎観劇録(文章)

曾根崎心中の解説

ロンドン公演(写真)

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マンチェスター公演(写真)

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6/15

すごい雷雨だなーと思っていたら、大きな雹が降りました。直径7mm位でしょうか。かなり積もって家のまわりがクラッシュアイスだらけ。外に出ていなくてホントに良かった・・・。

ひょう

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6/17

アイルランドに行こうと思って、旅行代理店でパンフレットを貰ってきました。ダブリンに2,3泊の予定ですが、3泊すると1泊分タダとかいう特典付きのホテルが多くて、しかも特典対応期間が「1月1日から12月31日」なんていうのも。一応ハイシーズンは7月後半〜八月一杯らしいですが、猛烈に高くなるという訳でもなくて、グレードの違うホテルでもそんなに値段が違わない感じ。なんかのんびりしたところだなあ。ぱらぱら見ていたら、

馬車で一週間。

そんな旅がありました。木製のおもちゃを大きくしたみたいな、カラフルなカマボコ型の馬車を、道営競馬の輓馬みたいな、蹄のところにふさふさした巨大な馬一頭が引いています。その馬車に寝泊まりするらしいです。まるで豪華なペリーヌ。馬は静かだけど丈夫で、最初の日に手入れや取り扱いを教えてくれるので、ビギナーでもオッケーなんて書いてあります。

家族とかだったらすごく思い出になっていいかも。夏の間だけのツアーだそうです。

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6/18

歌舞伎の英国公演が終わり、魂消て腑抜けになってしまいましたので、このままではいかんと思い、しゃにむにアイルランド旅行の手配をはじめました。

まず、アイルランドダービーの開催地、ダブリン近郊のカラ競馬場のHPでチケットを購入。さあこれで後へ引けなくなったぞ。

次は、航空券。シェフィールドシティ空港というマイナーな空港がありまして、そこからエア・アランという航空会社の直行便が出ています。そのチケットを近所の旅行代理店で購入。手続きにやけに時間がかかる(30分位)と思ったら、窓口のおねえちゃんがしこしこと

航空券を手書き

しているのでした。その間、壁に貼ってある世界地図を眺めていたら、

「ソビエト連邦」・・・。おいおい。

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6/19

アイルランド旅行の手配の続き。ダービーは日曜日。シェフィールドからの飛行機は月〜金の朝一便、日曜は夕方の便しかなく、金曜日の飛行機が満員だったので、正味3分程の競馬を見るためにアイルランドに5泊するというまるで日食旅行の時みたいな成り行き。飛行機のチケットをとってから出発がすでに来週だと気がつきました。ふはは。

カラ競馬場のあるキルデア地方には、アイリッシュナショナルスタッドという競走馬の生産牧場もあり、毎日見学可能とのことで、この際ダブリンではなくその近所に4泊して競馬&田舎を満喫することにしました。インターネットでピックアップしたB&Bに電話したら、金、土は満員と言われたので、アグリ・ツーリズム賞(農業観光賞?)受賞とか書いてある、見るからにまわりになーんにもないファームハウスに電話しました。ファームハウスとは、農家を兼ねた民宿みたいもの。

奥さんらしい人が電話に出て、私が交通手段何もないと聞いて、びっくりしていましたが、きれいそうなところだし、農場見学もできるそうだし、面倒くさくなったのでそこに決めてしまいました。バストイレ付きダブルの部屋を一人で使って1泊25ポンド(1アイルランドポンド=135円くらい?)。

私の名前を聞いて、「じゃあお待ちしています。」それだけ。カード番号はおろか、住所も電話番号も聞かないの。うおー呑気なところだなあ。・・お湯がちゃんと出るといいなあ。

6/20

昨日電話したファームハウスの奥さんとは、ちょっとなんかアクセントが違う感じだったけど、一応英語で普通にお話ができました。

でも、最寄り駅のスペルを聞いたら、

アー、ティー、エイチ、ワイ

だと言われました。

RTHY?

実は、ATHYが正解。

英国暮らしで、Aをアイと発音する人には慣れたけど、さすがアイルランド?そう来ますか。

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6/21

ハッピーという言葉は、普通考える「幸せな」というより、「満足だ」とか「納得している」に近い感じで、便利に使えます。

例えば、不満があるとき、まず、「エクスキューズミー、私は**について幸せではない(アイム ナット ハッピー ウィズ**)」と文句をつけているんだぞということを伝えます。その後に、「なぜならば(ビコーズ)・・・」と理由を述べればいいのです。この言い方でホテルの部屋を交換してもらったことがあります。

何かに賛成するときも、「アイム ハッピー ウィズ ザット」と言ったり、ハッピーの他にオーライとかOKも同じ感じで使われますが、やや満足度が低くて「別にいいよ」って感じがします。謝られて「大丈夫、気にしていません」と言うときには、「イッツOK」「アイムオーライ」とか言うので。でも、賛成は賛成、賛成度が100%か80%かなんていうことまで気を回したりはされないと思うので、別にいいでしょ。

レストランでは頼んだ料理が出たあとに、店員が「エブリシングOKウィズユー?」と、何か問題がないかどうか聞きに来るのがマニュアル化されている様です。初めて外食したときはえっ何を聞かれてるの?とびびりましたが。

でも、これって英国では、なのかな?アメリカでも言いますか?

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6/22

北アイルランドで暴動が起こっているそうですが、私が行くのはアイルランド共和国なので関係ありません。

「地球の歩き方ヨーロッパ」の数ページしかないアイルランドのところを読んでも、さっぱりわけがわからず、アイルランド旅行をした個人HPを漁っているのですが、競馬場に行ったという人はあまり見かけないなあ。なんで?えっ普通アイルランドに求めるものは景色歴史音楽映画?・・えっ?

私は基本的に西洋の歴史、建築、美術の知識&思い入れがないので、名所旧跡不感症です。ルーブルでも、「モナリザのまわりで写真撮ってる人々」の写真撮ってたし。しかも、英国暮らしの結果、「どーせどこ行っても似たような石造りの建物だろー症候群」も併発しているのでタチが悪い。アイルランドという「イギリスちゃうん?」的場所だというのもねえ。ドイツ行ったときはハイデルベルクで城見て喜んでたもんな。ま、大陸本土だし、ハイデルベルクにはちょっと思い入れがあったんだけどさ。

そういう思い入れっていうのは恋愛みたいなもので、その土地に恋した人の旅行記は情熱が伝わってきて面白いですね。イギリスやロンドンに恋する人も多いですが、私は歌舞伎座と遠距離恋愛中さ。ふっ。

さーてどこいこーダブリン。

城?ランカスターとエジンバラで行ったなあ。アイリッシュパブ?スーパーの向かいのパブはそうみたいよ。大学?ランカスターとシェフィールドでさんざん行ってるなあ。ギネス工場?沖縄でオリオンビールの工場行ったなあ。タラの丘?スカーレット・オハラがちゃーらーらーらーんのとこ?いや、それはアメリカ。

あっ結構ウキウキしてんじゃん?

歌舞伎のあの異常興奮状態を普通だと思っちゃいかんのよね。

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6/23

今週の火曜日から四日間は、アスコット競馬場はロイヤルアスコットと呼ばれる特別な競馬の開催日でした。

カラニシとファンタスティックライトの対決など、もちろん競馬的にも重要なイベントでしたが、女王も来るこの四日間(競馬は土曜日の今日も開催されていましたが、女王が来ていたのは金曜まで)は社交会的に重要なイベントの様です。

競馬のお勉強のために毎日見ていましたが、着飾った人々がめじろ押しで、男はシルクハット、女は羽飾りのついた様な帽子をかぶって華やかなこと。着飾っているのは客だけではなく、アナウンサーやレポーターや騎手のインタビューを後ろでメモしている人までシルクハットやワンピースやシルクスーツです。女王のいる範囲では、女性は肩を出してはいけないとか色々決まりがあるようです。鈴木淑子さんが帽子をかぶっているのはこのせいですね。マンチェスター・ユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソンなどの有名人も来ていました。

シルバーリングと呼ばれる安い席でも、それなりにおめかしをしている人ばかりで(でも帽子はBHSで買ったとかいう人もいてちょっと安心)、アスコットに行く時は何を着てったらいいんだろう?って思ってしまいましたが、女王抜きの今日はアナウンサーとかも無帽で、ポロシャツのおじさんとかがスタンドにいて、ほっとしたのでした。

6/26

テイエムオペラオー凱旋門賞に来ないのー?つまんないな。

アイルランド旅行、競馬の翌日はダブリン周辺に泊まって一応ふつーっぽい観光をする予定。ファームハウスを押さえたあたりで力尽きて放っておいたんですが、やっぱり現地で取る勇気もないので、予約をしようとB&Bガイド(イギリスのだけどアイルランドもの載ってる)片手に電話をしはじめました。

電話して、「なんとかロッジですか?」と言ったら、声優さんみたいに渋い声で

「いいえ、こちらはジュネーブのスイス銀行です。」

ええスイス銀行?じゅジュネーブ?

うぉー泣く子も黙るスイス銀行!(違うか)殺されても顧客の秘密は守るとか、ゴルゴ13が口座を持っているとか、札束とか金塊とかが頭に飛び回ってパニックになりつつ、どどど、どうもすみませんでしたとか言ったら、

「お声が聞けてよかったです」

いやー参った。

ちなみにダブリン近郊の宿は無事予約できました。

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