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自作俳句選集
私は1999年8月に英国で俳句を作りはじめました。
俳句として比較的出来の良いものを集めてみました。
1999年 2000年 2001年 2002年
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1999年8月
飛蟻の腹のまるさや雨近く
秋立つや山なき国に住んでいて
9月
アトピーに薬塗る夜秋暑し
10月
越天楽聞く欧州の秋深し
凱旋門賞終えて彼方に秋の虹
鶏頭やパリオペラ座の桟敷席
かささぎの歩む歩幅の大きなる
かちがらす風に吹かれて胸白し
窓際にかささぎの目のまたたけり
芝踏めば靴下までも沁みる露
黄葉の海を歩いて教室へ
蔦紅葉散ってあらわに石の家
冬近し目に見えるほど栗鼠太る
秋の蝶程なく終わる夏時間
洋梨やあやしきほどの熟れ具合
スペインの蜜柑買い込む金曜日
二階建てバス裸木の枝はじく
11月
ハロウィンや窓に卵をぶつけらる
秋の蜂蜂を捕らへて喰らいけり
日本にて
やうやくに銀杏もみぢとなりにけり
さざんかや市立つ吉良の屋敷跡
黒猫の背なの光や小六月
歌舞伎座や芝居の雪は四角なり
もの干せば乾く仕合わせ春支度
1999年
2001年
2002年
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2000年1月
着膨れて聞く長唄の道成寺
2月
両手より大き鱈の子塩漬けに
春めくや量り売りする紅茶店
日脚伸ぶ色とりどりに下校の子
春の午後薄焼き煎餅もう少し
3月
春雨や重ね置かれし植木鉢
白蓮の蕾の伸びの確かかな
たんぽぽの途中で切れし根つこかな
薔薇の芽や駄菓子両手に下校の子
花韮の星座車窓を流れけり
陽炎や生徒授業に戻りけり
4月
借りて読む英語の聖書受難節
ふるさとと同じ桜の香りかな
夕暮れて桜の幹の黒さかな
5月
二階建てバスより高く夏つばめ
6月
薔薇の香やサービスエリアの霧雨に
病室の窓を横切る夏つばめ
退院の夫と鰻丼食べにけり
肌黒きかたつむりにもなじみけり
とまりをるひとつところや火取虫
暁の蜘蛛と目の合ふ窓辺かな
7月
七夕や友英国を離れけり
夕立や観光馬車の黒き屋根
天気雨薔薇の香りの重さかな
8月
金髪の細きお下げの夏休み
引越しの先定まらず夏の夜
色草や転居の手配だんだんに
ファックスが吐き出す訃報秋暑し
9月
段ボールだらけの部屋や林檎食む
11月
英国の根ばかり長き小だいこん
日本にて
もちづきや肌に吸いつく日本の湯
顔見世や甘栗買つて帰りけり
青空を背に山茶花の開ききる
小春日や歳時記の背の布やさし
1999年
2000年
2002年
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2001年1月
初雪の夕刊袋に入れくれし
冬の霧イングランドに着きにけり
2001年2月
殻厚きイングランドの寒卵
水仙や初対面での待ち合わせ
4月
港町青き吊り眼の孕み猫
鐘供養大成駒の舞姿
5月
八重桜花咲く前の葉の赤さ
6月
地下室に薔薇の香りの入り込みぬ
7月
天窓を開け放ちたる夏館
8月
夏服の女王もおはす競馬場
1999年
2000年
2001年
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2002年
1月
初芝居三代そろふ女形
2月
白魚のてんぷら蕎麦を歌舞伎座で
3月
ドバイより戻りし夜の桜かな
4月
花冷えやバッキンガムに半旗舞ふ
5月
筍の写真写して帰英せり
鯉幟談合坂の自衛隊
地平より駆け登り来る競馬かな(ニューマーケット)
6月
斑猫(ハンミョウ)や取り壊されし祖父の家
鬱病の薬の効きて昼寝人
7月
勝馬の騎手は真青の勝負服
10月
エアメール母に頼みし胡麻柚餅子
12月
病室のテレビに見入る有馬記念
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